RIKEN Beamlines at SPring-8

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BL29XU 理研物理科学ビームラインI

概要

 BL29XUは可干渉X線利用を主たる目的とする、全長およそ1 kmのアンジュレータービームラインである。ビームラインには直列に3つの実験ハッチがあり、各実験ステーションの特色を生かした研究が進められている。第1ハッチでは、優れたコヒーレンスと高いフラックス密度を生かしたコヒーレントX線回折顕微鏡実験などが行われている。第2ハッチでは、焦点サイズを可変とした実用性の高いK-Bミラー集光走査型蛍光X線顕微鏡実験などが行われている。第3ハッチは光源から987 mの位置にあり、極めて長い光源からの距離を生かしたK-Bミラーによる回折限界集光実験などが行われている。

ビームライン光学系

 光源にはSPring-8標準真空封止アンジュレータが用いられており、基本波のエネルギーを4.9から18.7keVまでカバーする。フロントエンドスリットは光源から28.9 mに位置し、最大開口は 1 × 1 mm2である。光学ハッチには、光源から43.2 mの位置にSPring-8標準型分光器がある。分光結晶にはシリコンが用いられ、Si 111ブラッグ反射により4.4から37.8keVまでのエネルギー範囲をカバーする。 分光器のシリコン結晶は3つの250 Wヘリウム冷凍機を用いた閉ループ液体窒素で間接冷却されている。光学ハッチには、 一組の白金コート垂直跳ねミラー(長さは共に400 mm)も備えられており、高調波除去や垂直集光に用いることができる。 上跳ねおよび下跳ねミラーはそれぞれ光源から47.35 mと48.50 mに位置する。光学ハッチの最下流には、4象限スリットがあり。スリットの横刃および縦刃はそれぞれ光源から50.295 mと50.565 mに位置する。さらに光学ハッチには、光源から46.635 mに高速シャッターが備えられており、外部TTL信号に同期させて動作させることが出来る。

試料位置でのX線

エネルギー範囲 4.4 ∼ 37.8 keV (Si 111)
エネルギー分解能 ∼ 1.3 × 10-4
光子フラックス 6 × 1013 photon/s (@10 keV)
ビームサイズ (FWHM) 0.7 (V) ×1.6 (H) mm2 (EH1)
1.2 (V) × 2.9 (H) mm2 (EH2)
12 (V) × 28 (H) mm2 (EH3)

第1実験ハッチ(EH1)は光源から52 mの位置にあり、大きさは、5 (光軸方向) × 3 (W) × 3.3 (H) m3である。第2実験ハッチ(EH2)は98 mの位置にあり、大きさは、8 (光軸方向) × 4 (W) × 3.3 (H) m3である。第3実験ハッチ(EH3)は987 mの位置にあり、大きさは、6 (光軸方向) × 3 (W) × 3.3 (H) m3である。これら実験ハッチに常設の装置はなく、各ユーザーは独自に開発した装置を持ち込んで実験を行う。各実験ステーションでは、光学定盤、精密ゴニオメーターとステージ 、標準的X線検出器、標準的電子機器が利用可能である。


ビームラインの全体図


光学ハッチの詳細図


ビームライン ホームページ

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国立研究開発法人 理化学研究所 放射光科学研究センター
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