SPACE Maintenance Manuals



ストレージ部のネジの緩みの確認
液体窒素の出し入れを行ううちに、温度変化の影響で、ネジが徐々に緩んできます。
年2回、夏季休止期間と冬季(または春季)停止期間中にストレージ部、スペーサ等のネジが緩んでいないか、確認を行ってください。

ボールネジのグリース塗り替え
使用頻度にもよりますが、1~2年ごとに、各軸(Lhead, Xtray, Ytray)のボールネジのグリース(THK製AFGグリース)を塗り替えてください。
  1. ボールネジ部のカバーを外す。
  2. ボールネジに付着しているグリースを拭き取る。
  3. 新しいグリースを塗布する
  4. 軸を数回、端から端まで移動し、グリースを満遍なく塗布する。
  5. 余分なグリースは拭き取る。
  6. カバーを元に戻す。

Tarm軸
日常的に、回転ステージにガタつきがないか確認してください。
年1回、スライドテープ(ミスミ製NLTP5020)の交換を行ってください。日常的に、テープがはがれかかっていないか目視で確認してください。
1. 回転ステージのガタつき確認
ガタつきがある場合、オーバーホールへ出してください。

2 .バネ、スライドテープ交換方法
赤矢印2箇所のネジを外す。

青丸2箇所のネジを取り外し、白色のカバーを取り外す。


SCGuiの“XAFS”ボタンを押す。→ Tarm軸が回転し、Lhead軸が垂直になります。
Tarm軸のモータドライバーをOFFにする。


Tarm軸モーターを手で回し、バネを緩める。


バネを取り外す。
Tarm軸回転円盤スライド部に、スライドテープ(赤線部)が貼り付けられています。


スライドテープが削られているか確認し、もし削れていたら交換する。
赤丸4箇所のネジを緩め、バネを固定している部品を取り外す。
* 配線がある場合は、線に気を付けて行ってください。


スライドテープを剥がし、回転円盤スライド部をエタノール等できれいにする。
新しいスライドテープを貼る。
バネを固定している部品へ、バネを取り付ける。(配線を外した場合は、元に戻す。)
手でモーターを回し、おおよそ元の位置へ戻す。
Tarm軸モータドライバーをONにする。
イニシャライズを行う。
Tarm軸回転円盤部に接触しないように、バネカバーを取り付ける。

デュワー小蓋用蝶番
交換頻度の目安 --- 年1回

ドライヤー
石崎電機製 温度ヒューズ付プラジェット PJ-206A1を使用しています。
積算計が200時間経過したらカーボンブラシの磨耗状態を点検し、カーボンブラシの四角部の長さが5mm程度になっていたら交換して下さい。
(これまでの実績では、約500時間で5mm程度になっています。)


(該当する症状の原因)

送風は出るが、熱風が出ない


  1. ヒーター本体断線およびヒーターリード線接触不良
  2. 温度ヒューズ切れ(PJ-214A/Bのみ)
  3. フィルターの目づまり
  4. 電源スイッチ故障および配線不良

熱風も送風も出ない


上記熱風が出ないときの原因の他

  1. モーター本体故障
  2. カーボンブラシ磨耗
  3. ファン破損(ロック)

送風が出ず、ヒーターのみ点灯している


  1. モーター本体故障
  2. カーボンブラシ磨耗
  3. ファン破損(ロック)
  4. 電源スイッチ故障および配線不備

本体から異常音がする


  1. ヒーターボビン割れによる破片などの異物混入
  2. モーター支持部(ダンパー)のずれ・外れ
  3. ファンとケースの干渉およびファン破損

故障以外の症状


購入後、最初の動作時は臭いを発することがあります。

 

(処置方法)

  状態 処置 対応
熱風が出ない ヒーターおよびリード線断線 ヒーター交換 ヒーター交換方法
交換用ヒーター PJH-1000
温度ヒューズ切れ 交換 石崎電機修理扱い
フィルター目詰まり 清掃・交換 フィルター交換方法
交換フィルター PJF-1
送風が出ない モーター故障 モーター交換 石崎電機修理扱い
モーターカーボンブラシ磨耗 カーボンブラシ交換 カーボンブラシ交換方法
モーターブラシセット KBS-1
ファンに異物混入(モーターロック) 異物除去 石崎電機修理扱い
ファンが破損している モーターファン交換 石崎電機修理扱い
モーターが空回りしている 石崎電機修理扱い
フィルター目詰まり 清掃・交換 フィルター交換方法
交換フィルター PJF-1