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BL17SU 理研 物理科学 III
概要
軟X線領域の光は物質の機能性を司っている電子状態を効果的に観測するのに最適な光であると言われています。
理研ビームラインBL17SUでは、高分解能光電子分光法や軟X線顕微分光法などの実験手法を用いて、主に先端物質科学の研究を展開しています。
BL17SUは排他的利用のブランチAとブランチBから構成される軟X線ビームラインです。
光学ハッチ内の前置鏡によりブランチの切替が可能となっています。
建設当初から使われている実験装置群の他、近年では新しい実験装置が幾つか導入されています。
ブランチAには気相標的用光電子分光実験装置、ガスクラスターイオン銃(GCIB)を擁する汎用吸収分光実験装置、固体試料用の汎用光電子分光実験装置、走査型軟X線蛍光顕微鏡などがタンデムに配置されています。
一方、ブランチBには軟X線回折実験装置、静電レンズ型光電子顕微鏡(PEEM)、角度分解光電子分光実験装置(ARPES)などが主要装置群として設置され、先端物質関連の利用研究が行われています。
2022年度の夏期停止期間中には挿入光源が新型の『Helical-8アンジュレータ』に入れ替わり、2022B期からエネルギー範囲の拡張とともに高い偏光度での軟X線ビームの利用が可能となっています。また、当ビームラインは全ユーザータイムの20%をSPring-8共同利用に供出しています。
放射光の性質
光源:Helical-8アンジュレータ (水平偏光、垂直偏光、左右円偏光)
分光器:不等間隔刻線平面回折格子分光器 (ブランチA、ブランチB)
エネルギー範囲:225~2150eV@水平&左右円偏光、140eV~2150eV@垂直偏光
エネルギー分解能:E/dE > 10,000 (typical E/dE ~ 8,000)
ビームサイズ:< 30μm(H) × 10μm(V)@試料位置
光子束:~1E+12 photons/sec@Helicalモード